“ヤク”から生まれた、一番暖かいLUGH
ヤクという素材との出会い
魔法瓶ブランケットLUGH史上一番暖かい6層のLUGH Edgeは「ヤク」という素材にフォーカスしたマテリアルブランドSHOKAYとのコラボレーションから生まれました。
2022年に第一弾をリリースした「魔法瓶ブランケットLUGH Edgeシリーズ」、自然にインスパイアされたオリジナルプリントを施した特別なLUGHです。第二弾となる2023年版のLUGH Edgeシリーズは、プリントだけではなく素材そのものも特別なものにしたいと考えていたため、第一弾をリリースした時点で、国内だけでなく国外でも、表面に使う生地やレイヤーに使う新たな素材を探しはじめていました。
そんな中で、SHOKAYジャパンオフィスから「リサイクルプラスチック、そして工場で製造過程で生まれるヤクの残毛を活用した、サスティナブルな中綿があります」と連絡をもらったのが、ヤクを使った6層LUGH Edgeが生まれたきっかけです。
ヤクを使うことが、チベット高原で持続可能な経済成長につながる
SHOKAYは、チベット語で「ヤクの柔らかい毛」という意味で、創立者のキャロル・チャウが、中国辺境地少数民族をサポートするソーシャルビジネスを模索する中で、チベット族の人々が放牧する家畜「ヤク」に出会い、2006年にスタートしました。
ヤクという素材自体をはじめて知ったという方も多いと思います。ヤクはウシ科の動物で、チベット高原を中心に、標高4,000から6,000メートルにある草原や岩場などに生息しています。全世界に約1400万頭いますが、 その内1300万頭はチベット族の人々が家畜として放牧しています。
チベット族の宝、ヤク
ヒマラヤ山脈の厳しい自然の中で放牧されているヤクは、チベット族遊牧民にとって、その暮らしになくてはならない存在です。その肉や乳を食料とし、その皮や毛は日用品の材料となります。また、物を運び農地を耕す手伝いも担っており、さらにはその糞が燃料となって生活を支えています。 チベット族遊牧民の人々はそんなヤクを、「チベット族の宝」そして生活の糧として大切にしています。
SHOKAYの取り組み
ヤクは日本ではあまり馴染みのない素材ですが、そのアゴとお腹の柔らかい産毛は柔らかく手触りがなめらかで、カシミヤに匹敵する程の上質な繊維です。しかし、SHOKAYを立ち上げた2006年当時は、上質な繊維でありながら、チベット族遊牧民の経済成長の糧となるような有効利用がされていない状況でした。SHOKAYでは、その毛を直接フェアな価格で買い取ることで、チベット族遊牧民の人々の伝統的な生活を守りながら、安定した収入をもたらしています。また、素材の研究開発や商品開発の幅を広げ、ヤクの使用量を増やすことで、チベット高原で持続可能な経済成長につなげています。
動物愛護の観点から、ヤクの毛を刈るのは1年に1 度だけ。 ヤクの毛が自然に抜ける5月から8月の間に1回のみ行われ、櫛を使い手作業で毛を刈っていきます。
そうやって丁寧に刈られたヤクの原毛は、洗いなどを経て、その後カーディングを行います。カーディングは、繊維の塊に針金のブラシ(カード)をあて、繊維の向きを一定にする作業で、ウールでも同じ作業を行います。カーディングをすることで、不純物を除去し、また短かい繊維も取り除かれます。SHOKAYでは、カーディングをした繊維を、ミクロンと長さで慎重にセグメントし、セグメントされた繊維ごとにわけて取り扱うことで、素材としての高い品質を生み出しています。
手をかけ丁寧につくられたヤクの糸から、SHOKAYではニット製品をつくり販売しています。ニット製品を生み出すまでの、原毛収集のプロセスからニッターが編むところまで、チベット族の人たちに技術を教え習得してもらい、雇用を創出しています。
そういったチベット族の経済発展をサポートしているSHOKAYの取組みに感銘をうけ、ヤクを使った新しいLUGH Edgeシリーズの企画をすすめることにしました。また、保温力の高さをうたうブランドとして保温性能の高さは必須、保温性を高める機能性素材は市場に数多くありますが、LUGH Edgeシリーズには、できるだけサスティナブルな素材を選びたいと考えていたこともあり、厳しい環境で暮らすヤクの毛の確かな保温力と、ニット製品をつくる際の残毛活用という、サスティナブルな素材という点も、コラボレーションした理由のひとつでした。
魔法瓶ブランケットLUGH史上一番暖かく
今回のコラボレーションで使用した「ヤクEXウォーマーフィリング」は、ヤクの毛だけでなく、回収されたペットボトルなどから作られるリサイクルポリエステルを混合した、”天然素材×リサイクル素材” のサスティナブルな保温性素材です。軽くかつ空気を含みやすいポリエステルに、厳しい寒さに耐えられる程の保温性をもった天然のヤクの毛を40%混合しています。
5層だったレイヤー構造に、「ヤクEXウォーマーフィリング」の蓄熱層を追加することで、保温性を1.3%向上させ、魔法瓶ブランケットLUGH史上一番暖かいブランケットが完成しました。
実は、来年の企画についても既に動いています。ヤクの量や、混合するポリエステルの量、また厚みを変えていくことで、より暖かいLUGH Edgeシリーズがつくれないか、SHOKAYそして現地と相談しながら進めています。
本格的な企画はまだまだこれからですが、引き続きLUGH Edgeシリーズにご期待ください。
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